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『天冥の標Ⅸ PART2』レビュー

ようやく『天冥の標Ⅸ PART2』が発売されたので、早速読みました。本来なら5月発売のはずが10月末のこの時期まで遅れてしまったので、(いつものことですが)またずいぶんと待たされてしまいました。
 今回の巻は「シリーズ第9巻完結篇」です。
 物語は最終盤に向けて着々と話が進み、次章(最終章)での、目的地到着・決戦・決着、そして結末といった最後の語りになだれ込んでいく展開となりました。
 今後、母星のカルミアンとオムニフロラが、それぞれどのような行動に出てくるのかが気になるところですが、一番気になるのは、ミヒルの今後の出方かもしれません。
 いずれにしても、イサリたちが元の姿に戻れる展開を期待して最終章を待ちたいと思います。

 今回、「最終巻の手前でのあとがき」というのが巻末に付いていて、作者、小川一水氏の想いが語られています。そのなかで、

「あと1巻・数冊でその語りは区切られることになる。区切ってもそこで閉ざされずに、先へ向かってまた無数の星々を振りまくことになる終わりを迎えるのは、たぶん確かだと思う。」

とありますので、最終章が終わっても、続編や番外編、あるいはもっと壮大な連作などにも大いに期待できそうです。
 帯には、「2018年刊行 巻数未定 最終巻まで連続リリース」と書かれているので、来年はいよいよ、この長い長い話もついに大団円の年、ということになりそうですね。