岡本板金ブログ

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『時間封鎖』上・下巻 読了

 ロバート・チャールズ・ウィルソンの『時間封鎖』上・下巻、読み終わりました。
 本の帯には、「2009年海外長編部門 星雲賞受賞作」、「SFが読みたい!2009年度版 第1位」「ベストSF2008海外編 第1位」と、仰々しいまでの売り文句が踊ってまして、本屋でついつい買ってしまった本です。
 確かにそれらのセールスコピーは伊達では無くて、知らず知らず一気読みしてしまう面白さでしたが、それじゃあ自分的にベストSFだったかと問われたら、上位は確かでも1位じゃあ無いなあ・・・、という感じ。
 一人称で語られる個人的な物語が、丁寧かつ詳細に語られることによって、世界全体の描写につながっていく手法というのは分かりますが、いかんせん登場人物が少なく、シンプルすぎる傾向はぬぐえませんでした。SFとしての舞台装置が壮大で本格的なだけに、細かい部分にもっとSFガジェットが頻出するとか、人種同士の複雑なやりとりがあるとか、話を大きくする部分があってもよかったんじゃないかなと、少し物足りなく感じました。もっとも、単に私がそういう話が好きだというだけのことですけども・・・(苦笑)
 あとがきによると、続編が書かれていて、そちらではどんどん話が大きく盛り上がっていくらしいので、機会があれば続きを読んでみたいと思います。